猫の口腔内にできるガンは極悪性が多く進行が非常に速いです。数か月前までは何ともなかったのに、
最近何かへんだな?って感じて病院で診てもらったらびっくりするほど進行してしまっているってことがほとんどです。
口腔内ガンの治療は・・・口の中は狭く、目、鼻、脳も近くにあり、治療法も極めて限られてしまいます。
早く発見することがその後の命を左右することになります。
猫ちゃんはそれとなくサインは出してはいるのですが、
飼い主さんからしてみたらそれほど異常を感じず、発見が遅れてしまうことがほとんどです。
それとなく猫ちゃんが出しているサインをあげてみます。
❶以前は無かったけど、最近「口をくちゃくちゃ」する。
❷ねばねばする汚れた唾液が横唇から出ていることがある。口のまわりの毛に付いて毛が汚れていることがある。
❸大好きなカリカリフードを食べたい様子をみせるけど、少しだけ食べて食器から離れる。 しばらくするとまた食器のところに行って、口をもっていくけど食器から離れる。。
❹大きなアクビをしなくなった。
❺片方の目の下から頬が何となく膨れている気がする。
❻左右どちらかの頬や顎の下に、少し血が混ざったような黒っぽい痂皮がある。(一見皮膚病かな?のようにも見えます。)
このような様子が無いか日ごろから観察しておいてください。
もし見られたら口の中にトラブル有りが濃厚です。できるだけ早く受診してください。
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【京都のもこちゃん、15歳3か月】口腔内扁平上皮癌。
受診まで時間がかかったようで発見が遅れてしまいました。私ともせっかく出会えたのに、出会うのが遅かったです。
ガン細胞を含めて口の中全体の活力が低いように見えます。ガンも弱っているけど、周りの正常細胞も弱っている感です。
治癒に絶対必要な治癒力、修復力、再生力があまり感じられず時すでに遅しの感がします。
すでに上顎の口蓋骨まで深く侵されていて、
少しづつですが常に出血もしていて、血液検査結果からも読み取るにすでに通常より40%ぐらいは血液が失われていて貧血も起こしています。
飼い主さんはまさか口の中にガンができるなんて思ってもいなかったようで、発見が遅れてしまいました。
ここまで来ると
ガンの撲滅だけでなく、ガンの浸食により失われた上顎の口蓋の修復も行われないと治癒とはいかないので、
貧血もあり、かつ採食行動もとりにくいので、治癒力・修復力・再生力も極めて低くなります。
結果、治癒の望みははるか彼方になってしまいます。
万が一の望みをかけての治療になりますが、少なくとも痛み・苦しみはとれた余生はつくってあげないといけないです。
もう少し早くに出会いたかったです(´;ω;`)
そしたら何とかなっていたかもしれません。